私のクレイストーリー 〜 金谷有子さん（ 中医アロマ&クレイ Liang）
シリーズ『私のクレイストーリー』では、クレイに魅せられた人々のクレイにまつわるストーリーをご紹介しています。
| 『私のクレイストーリー』 中医アロマ&クレイ Liang 金谷有子さん |
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10年ほど前、その不調は突然に起こりました。耳の変調による急激な身体のバランスの失調でした。突発性難聴との診断で、思いがけず１０日あまり入院することになりました。海外に赴任していた夫にすぐに帰国してもらい、小学生だった娘の世話を頼むことに。これまで、ひとり娘の世話を焼くことこそが自分の役目とばかりに奔走していた生活から一転、家族と離れて過ごした10日あまりの入院生活は、なんとも不思議な時間でした。
今思えば、この時、私はそれまでの人生を強制終了されたのかなと思っています。そしてそれを機に、それまで「なんとなく興味はあるけど、よくわからないし」、と片付けていた中医学の世界とアロマセラピーの道に迷わず足を踏み入れることになります。
耳の治療のために通っていた鍼灸院のマッサージと、たまたま友人からもらったオードトワレの香りに癒された経験から、香りやマッサージなどの施術を通して、今度は自分がだれかの役に立ちたいと強く思うようになったのです。
中医学はとてつもなく奥深く、学ぶのが楽しくて仕方ありませんでした。昔からなんとなく感じていた様々な症状─―冷え・トイレが近いこと・腰痛・そして難聴─―という、一見してバラバラに見えるような諸症状が、中医学でいう「腎陽虚」という証でつながっていく体験にワクワクしました。それまでの漠然としていた「自分ってどんな(体質の)人？」が「今の自分はこんな（体質の）人」という理解に変わり、今後起こりうる不調も予想できるようになりました。そしてその不調を防ぐために、今この瞬間からも自分にできることがあるということがとにかく嬉しく心強かったです。
耳を悪くしてから５年が過ぎた頃、私にとっての新たなハードシップが始まりました。
国際薬膳師や国際中医師などの資格取得に向けてとにかく忙しかったタイミングに、更年期の不調、そして両親の介護が始まり体も忙しかったですが、とにかく心が疲弊し、ストレスから円形脱毛症にもなりました。
伝統療法を学んでいるのに、それを実践する心の余裕が全くないという矛盾に満ちた毎日でした。
もちろん、介護を通して両親との縁の深さに感謝もしていましたし、中医学を始めとした学びがあるからこそ、自分の時間を持つことが出来ているという自覚もありましたが、結局のところ、そのような思いだけでは、心と体の不調は乗り切れませんでした。
そんな時に、なぜかどうしても気になって仕方なかったのが、クレイセラピーでした。
何にもやる気のおきなかった私でも、お風呂には入るわけで（笑）、クレイをペーストにして顔に塗り、そのままお風呂にざぶんと浸かって適当なタイミングでパックを浴槽の中で洗い流しそのままクレイバスに入る、というざっくりとした入浴法でしたが、クレイを入れたお風呂は、濁り湯のような優しい肌触りのお湯になり、心底疲れていた心身を緩め整えてくれたように思います。
私なりの解釈になりますが、クレイは粘土の一種。言ってみれば「土」の仲間ですね。万物の命を育む「土」壌であり、「土」台であるわけです。
中医学でも五行で「土」をすべての中心と考える理論があるのにもリンクして、腑に落ちたんですね。もしかしたらあらゆる伝統療法を実践するうえで、クレイセラピーはその基礎的な役割を担っているのではないだろうか、なんて。言い過ぎでしょうか。
実際のところ、クレイには私たち人間が本来もつ自然治癒力を取り戻し高めてくれる作用があると考えられています。グラウンディングやアーシングの作用も期待されています。まだまだ未知の部分も多いセラピーですが、秘めたるパワーを感じてやみません。
クレイがメンタルバランスの土台となり、日々の生活を中医学の視点で読み解き、アロマテラピーや食事（もちろんここでもクレイは活躍します）を活用していく毎日は、とにかく楽しいです。万が一何か判断にに迷うことがあっても、自分で考え、とりあえずやってみる手立てがある、その事実が私を支えてくれるようになりました。
私に起こった突然の不調は、ゆらぎ世代の皆さんにも起こるかもしれません。
更年期の不調など、本来であればご自分の体調管理だけでもいっぱいいっぱいなのに、お仕事を持たれている方は責任あるポジションを任され全く気が抜けない日々を送っておられることもあるでしょう。お子さんもある程度成長しているけれどまだまだケアが必要なタイミングに、高齢になった両親の体調不良が、あなたの肩にのしかかってくることもあるかもしれません。
そんな時、あなたならどうしますか？責任感のある方であればあるほど、ご自分に何かできることはないかと忙しい合間を縫って新しいセラピーを学び続けるかもしれません。もしくは適切なアドバイスを求めて様々な療法家のところに足を運ぶこともあるかもしれません。
中医学とクレイセラピー、アロマセラピー、そして食養生の基礎的な知識を手にすることで、ご自分の外（他人や新しい療法）に答えを求め続けることから、皆さんが解放されたなら、何より嬉しいと私は思っています。
中医学の見立てでご自分や大切な人の体質を見抜くことができるようになれば、その養生法はいたってシンプルで普遍的、しかも非常に理にかなった効率の良いものだからです。
クレイセラピーやアロマセラピーは、それぞれだけでも奥深く、大変応用範囲の広い有効なものであることは間違いありません。でも、もしもそこに中医学の視点を加えたら、もっと根本的な対処ができるようになります。
また、ゆらぎ世代の方々に是非オススメしたいのが中医アロマトリートメントです。常に忙しく、周りの人の人生までも背負いがちな頑張り屋さんの方ほど、ご自身のメンテナンスのために定期的にだれかの手にご自身を預けゆだねる機会を持っていただく必要があると思うからです。
中医アロマ＆クレイ Liangでは、クレイやアロマセラピーを活用している方向けの中医学講座、中医アロマトリートメントの施術、そしてクレイソムリエ講座 を３本の柱とし、全力で頑張っているゆらぎ世代の方々のお役に立てるよう、お手伝いをさせて頂きたいと思っています。皆さまにお会いできる機会を楽しみにしております。
＜対談動画＞